集中治療室(ICU)

 

私の嫁が家に帰って来ると

私が倒れていたらしい。

 

救急車を呼んだ。

 

集中治療室(ICU)に入れられたらしい。

医者から、どんどん血圧が下がっています。

このまま血圧が下がり続けたら、今夜が山ですと言われたと言う。

 

2日間、意識が無かったらしい。

 

意識が戻った。

ここから、私の記憶がある。

私は、ここは何処だ?と思った。

横を見ると、ピッピッピーと音が聞こえる。

 

 

看護婦さんが気付いて

「ここが何処だか分かりますか?」ときいてくる。

 

周りを見ると、医者、病院のドラマにあるような機器があるので

「病院ですよね」と言った。

 

看護婦さんは「先生を呼んで来ます」と言って離れて行った。

 

気が付くと、私は裸になっていて、紙おむつだけだった。

なんか、これもドラマみたいだなと思った。

 

「あの、何か着させてください」と言うと

患者着せてもらった。

ああ、なんか病院ドラマみたいだなと思った。

 

連絡を受けて、嫁さんが来た。

疲れ切った顔をしていた。

今までの状況を話してくれた。

軽い狭心症だったと言う。

 

看護婦さんが「ベッドを少し起こしますね」

そう言って、ベッドを少し起こした。

 

すると、吐き気がするほど苦しくなった。

「苦しいです」と言うと看護婦さんは

「まだ早かったかもしれませんね。

もとに戻しますね」と言ってベッドを下げてくれた。

 

看護婦さんが、ご飯を持って来た。

米粒が、1個が2個くらいのお粥。

 

ベッドを起こされると吐き気が来て苦しい。

「すみません。吐き気がして食べれません」と言うと

「頑張って食べてください」と言われるが

私は「無理です」と言った。

 

看護婦さんが「飲み物なら飲めるかもしれませんね」

「何か好きな飲み物はありますか?」ときかれる。

私は「ヤクルト」と答える。

 

ベッドを起こされると吐き気がするので

寝たままヤクルトを飲んだ。

 

深夜、具合が悪くなった。

「すみません。なんか、きついです」と言うと

看護婦さんが「先生を呼んで来ます」と言って行かれた。

 

先生が来て、私の状態を見る。

「脱水状態ですね。点滴はしていますが、それでは水分は足りません。

口から水分をとってください」と言われる。

 

コップで水を持って来られた。

吐き気がするが、無理して飲んだ。

 

次の日も、昼間は嫁さんが見舞いに来ている。

 

ご飯は流動食。スープみたいなもの。

 

その日の深夜、救急患者が運ばれて来る。

私の隣のベッドに寝せられているようだ。

カーテンで仕切ってあるので詳しくは分からない。

 

夫と思われる男性が来て

「もうこんな事はするな」と言っていた。

 

看護婦さんが「〇〇さん。もうやめましょうね」と言っている。

患者は泣いているような声を発している。

 

しばらくて、看護婦さんが深夜の見回りに来た。

「あの隣の人、ここに何回も来ているんですか?」ときくと

もちろん他の患者の情報は言えないので

何も教えてはくれなかった。

 

隣の女性と看護婦さんの会話が聞こえてきた。

看護婦さん「苦しくても、もうこんな事はやめましょうね」と言っている。

なんとなく、もう何回も来てますよね、

もうやめましょう的な会話が聞こえてくる。

 

私は、ああ、自殺未遂なんだなと察した。

それも何回も、この病院に運ばれて来てるんだと思った。

 

重い話なので、今回は、ここまでにします。

続きは別の回で書きたいと思います。