一番長く働いたアルバイト

フェミリーレストランの喫茶

 

店のドアに「アルバイト募集」と書いてあったので

いきなり入店して

「アルバイトさせてください!」と、

レジに立っている人に言う。

すると、え?みたいな顔をして

「ちょっと待って、社長に話して来るから」

 

社長が来て

「OK、いいよ」

 

今度は、こっちが「へっ?」こんなに簡単でいいの?

みたいな。

 

あの履歴書は?ときくと

「要らない。連絡先だけ書いて行って」

 

明日から来てね。

なんと、軽い店だと。

 

そこの店は、SL汽車が、料理を運ぶ店で

子供連れの家族や、女子学生とかが多い店でした。

 

最初は「ホールからね」と言われる。

レジの打ち方とか習う。

 

社長が「うちで出している料理全部食べて」と言う。

自分が働いている店の料理の味を知っていないと

お客様との対応ができない、と。

 

毎日、1食とか、多い日は、2食。

 

追記:もちろん無料ですよ。

 

一応、食べ終わると

「きみ、喫茶を担当して」

マジか、みたいな。

 

今、喫茶を担当している子が、

今月いっぱいで、辞めるから

あと2週間、彼に習ってね。

 

習いましたよ、2週間。

 

ホイップクリームの作り方。

機械じゃないよ。

手で立てるんだよ、ホイップクリーム

横にグルグル回すんじゃなくて

立てにシャカシャカして、泡立てて、

空気を中に入れる。

 

ホイップクリームの残った量とかを見て、

それに応じて、ホイップクリームを作って

チューブに入れる。

基本、10チューブを作る。

 

終わる頃には、腕が痛くなるのを通り越して

感覚が無くなる。

 

あと、コーヒー豆や、アイスクリームの管理。

アイスクリームの残り具合をみて

業者に発注する。

とにかく、喫茶に関わることは

全部、任された。

 

喫茶を任されたから、

まず、チョコレートパフェと

フルーツパフェを、自分なりに変えた。

 

この店の、パフェ用の、

グラスコップは、大きい。

大きさで、客を騙す。中身は、アイスディッシャー1個

 

 

下にフレークとか入れて、シロップで、

底上げして誤魔化す。

 

こんなのは、小さい。

 

1番、誤魔化しやすいのは

フルーツパフェ

 

 

ジャムシロップを、いっぱい入れて、底上げする。

フレークを入れて、ホイップクリームを入れて、

アイスディッシャー1個分のアイスクリームをのせて、

で、また、ホイップクリームを、グルグル巻きにして

業務用の果物をのせる。

 

これで、600円です。

当時の、600円ですからね。

 

私が変更したのは、アイスディッシャーではなく

スコップで、

これでもかと言うくらいアイスクリームを入れる。

フレークや、ホイップで、誤魔化さない。

バナナは、薄く切らずに、ドンと太くする。

 

厨房のコックさんが、なにやってんだ!

みたいな顔をして、こっちを見ている。

原価.....みたいな。

 

そうしたら、ここのパフェは、凄いと話題になって

パフェを食べに来る、女性客が増えた。

みんな、うわぁ~と言って、驚いて、嬉しがっている。

 

厨房のコックが、社長に、あの出し方じゃ、

儲けはないですよ。

そう言ったみたいだけど

社長は、何も言わなかったね。

そりゃ、そうじゃん。

パフェで、客は来るんだし、レストランの名前も広まる。

 

 

SL汽車が、料理を運ぶ店だから、

子供連れの、お客さんが多い。

 

社長から、5月5日の、子供の日

オールで頼むと言われる。

 

ホールの、ウエイターと違って、

喫茶は、最低でも、開店前1時間には、

行かないといけない。

 

でも、子供の日だから、子供連れの客が多いだろうなと、

朝7時に店に行きましたよ

 

げっ!店の入り口に、行列ができている。

 

その日は、しぬほど忙しかった。

オールだから、店が閉まっも、

次の日の仕込みをしなければいけないので、

終わったのは、夜の12時30分。

 

ここは、1年間しましたね。

終わりは、次のバイトの子に、仕事を教えて、

アルバイトは終了。

 

以上