音楽系のアルバイト
大学生の頃、
レコード店でアルバイトをしていた時期がある。
結構、大きな、有名なレコード店で
最初は、普通のレジをしたり、
レコードの補充、注文、ポスター張り等々
アルバイトが次々と辞めて行き
私が、一番の古株になった。
そうしたら、社長から、明日の夜、
レコードを販売して回ってくれと言われた。
何ですか、それは?と聞くと
演歌の新人の宣伝、レコード販売をして来てくれ
女性の新人演歌歌手
勿論、無名
社長が行くんじゃないんですか?
あんな恥ずかしい事なんか出来るか、と。
今の若い子は知らないと思いますが
昔の演歌歌手は、飲み屋を回る
ド●●●サ●●●回り←放送禁止用語、差別用語なので●を入れています。
言葉狩りだと、私は思います。
地方巡業もしくは、営業活動と言い換えるそうです。
デビュー新人の曲名が書いてある旗を背中に付けて
ハッピを着て、シングルレコードの箱を持つ。
新人の演歌歌手と、マネージャーと、私の三人。
で、飲み屋に行って、ママに
「新人の歌手です。歌わせてもらえませんか」
マネージャヤーが、交渉して、OKが出たら
カラオケで歌わせてもらう。
そして、レコードを買ってくださいと、
店内を回る。
そのシングルレコードを、持って回るのが
私の仕事。
店内は酔っぱらったオッサンたち。
新人の女性演歌歌手が、お願いしますと客の近くに行く。
酔っぱらったオッサンばかりだから
「よ~し、10枚買ってやる!!」
そんなノリ。
社長が、あんな恥ずかしい事ができるか!
そう言った意味を理解しました。
でも、店に、「TUBE」が来た事があります。
デビューシングル曲
「ベストセラー・サマー」のキャンペーン。
あと、社長から、これから売り出したいという
外人のバンドがあるらしいから
俺の代わりに、行って来てくれと言われました。
それが「GIオレンジ」で
「サイキック・マジック」という
いろんな曲をパクりしまくったような曲でして。
社長から「どうだった?」と聞かれ
「ダメですよ。あんなの」そう言いました。
一発屋でしたね。すぐ消えましたね。
ジャパンと言う、完璧に日本の市場を狙ったバンド
そんなのばっかりだった時代です。
でも、一部の日本人女性に売れました。
そのあと、ジャパンが解散して
デヴィッドシルヴィアンが、ソロになる。
まぁ、一部の日本人女性の人気者になりました。
坂本龍一とのコラボ曲
「禁じられた色彩」を出したりしてました。
「戦場のメリークリスマス」に歌詞を付けた曲。
いつの間にか
ジャニーズの時代になって
日本だけを狙った外国人バンドは消えました。
でも、良い経験ができました。