中国 廈門市

何十年か前に、仕事の出張で行った「廈門市」

 

 

まだまだ中国が貧しく、人件費が安かった時代。

中国が「経済特区」をつくった、そのひとつが「廈門市」だ。

この区は共産主義の中国だが、特別の資本主義的要素を導入。

西側諸国の会社を誘致するための「経済特区

 

その頃、私は、出張で「廈門」に行ったのです。

 

まず空港で入国手続きをしている間

軍人が、私たちに鋭い視線を向けていた。

この時、正直「ビビった」

 

空港には、提携する予定の会社員と通訳が待っていました。

みんな、すごい笑顔です。

 

まずは、食事をしましょうと言うことで

え?ここ中国?というような現代的なレストラン。

そこで、貸し切りの部屋に通された。

次から次へと、料理が運ばれて来る。

 

あとで仲良くなった通訳の人に訊くと

あのレストランは、裕福な階級の人しか行けないレストランだと。

 

そして、会社を訪問する。

赤い横断幕に

「日本、◎◎会社。熱烈大歓迎」と書いてある。

そこの社員と思われる人が、20人くらいは、いただろう。

 

社長室で、ビジネスの話。

 

それが終わると、夕食に行きましょうと誘われる。

車は、トヨタクラウンだったと思います。

勿論、中古車でしょう。

中国は「右側通行」なので、本来は「左ハンドル」なのです。

クラウンは「右ハンドル」でした。

 

どんどん人気の少ない狭い道に入って行く。

「げっ!拉致されるのか」とマジで心細くなった。

 

着くと、これがまた大きいレストラン。

入口に、所狭しと食材が並べてある。

魚などは大きな水槽に入っている。

 

材料を決めて、こんな風な食事がしたいと言ってくださいと。

コックが、それに合わせて料理しますと。

 

適当に食材を選んで、アッサリとした味付けでと注文する。

青島ビールや、アルコール類が出される。

料理は美味しかったが

ビールが不味い。他のアルコール類も不味い。

でも中国側の人は、浴びるように酒を飲む。

 

そして、1日目のホテル。

廈門でも1番のランクのホテルと言う。

最上階全部が、我々の部屋。

 

エレベーターから降りると、

ドアの前に、若い女性が2人。

スイートルーム専用の社員だと言う。

1時間くらいで、その2人は帰って行った。

 

何でも、電話で言ってください。

係が来ますからと。

 

疲れ果てていたので、相棒に早く寝ようと言って爆睡する。

 

朝、迎えが来て、工場に案内するとの事で

例のクラウンに乗せられて工場まで向かう。

道路が、ほぼ一直線なのに驚いた。

スピードメーターを見ると

140kmくらいで飛ばしている。

 

道路に人がいるとクラクションを鳴らし続けて走る。

これもまた、あとで通訳の人に聞いたのだが

中国は車が優先ですと。

 

だんだんと景色が変わって行く。

畑?田んぼ?だらけの所には、スイギュウ(水牛)

スイギュウで、畑を耕している。

 

更に進んで、砂漠のような所にある工場に到着。

ベルトコンベヤーなどなく、手作業。

 

通訳に聞くと、収入は

海岸付近が一番高く、奥に行くほど安くなるらしい。

工場で働いている人は、日給30円だという。

 

 

1日、自由な日があった。通訳から

目立った服装にしないでください。

行動も静かに。

それでも日本人は中国人とは身振り素振りが違うから

日本人だとバレるから。

日本語で話しかけてくる人とは絶対に話さない。

 

通路を歩く時は、道路側を歩いてください。

建物側を歩くと、引き摺り込まれて、金銭を奪われるから。

金銭だけなら良いけど、命も危ない。

こんな広い中国だと内陸部に連れて行かれたら、まず助からない。

警察も、まともな捜索もしないと。

 

私はホテルに籠っていたいと思ったが

相棒が、せっかく中国に来たんだから、町を歩いてみようと言う。

気乗りはしなかったが、町を散策した。

 

豚の頭を、そのまま吊って売っている店などがあった。

おばちゃんが、一人で、パスタ?みたいなものを作っている

大衆食堂みたいな店があった。

 

ここ入ろうと。私は嫌だと言うが、

ホテルの食事じゃなくて、

現地の人が食べるている物を食べようと言う。

私は、絶対に食中毒になると思った。

 

相棒が、おばちゃんに身振り素振りで話していた。

相棒が、OK通じたよと言う。

 

そして、湯麵みたいなのが出てきた。

以外にも美味しかったのだ。

相棒が、料金を払っていた。

こいつ天才だと思った。

 

中国の通貨は「元」と言うが

現地の発音では、yuán、ユエンみたいな感じ。

これ何円ですよに聞こえる。

 

最後の日は、午前中だけ観光。

台湾の金門島が見える場所に連れて行ってくれた。

こっち側に向けて、大きな声、拡声器で叫んでいる。

中国より台湾が良いよと言うプロパガンダ

こっちも金門島に拡声器を向けて、大声で叫んでいる。

 

どうですか、面白いでしょうと通訳氏。

 

そして、日本に帰って来た。

それから、一回も中国に行ったことはない。

中国に行くのはイヤだと上司に言い続けたから。

しょうがねぇな~って感じ。