私の記憶の限り、我が家は石炭で湯を沸かしていた。
石炭を窯に入れて、上から木の切れ端を入れて、
まず木に火を点ける。その炎で石炭が燃える。
一戸建ての賃貸住宅だった。
そして、親が頑張ったのでしょう。新築の家を建てました。
そこの風呂はプロパンガスでした。
仲良しの近所の子が、夕方に銭湯に行くんだと言う。
「銭湯って何?」と私は尋ねる。
「大きい風呂があるんだよ」と言う。
家に帰り、父に銭湯に行きたいと言うと
風呂は家にあるだろうと言う。
どうしても行きたいと言って、
仲良しの近所の子と、洗面器に石鹸とタオルを入れて銭湯まで歩いて行く。
銭湯なんて初めてだ、ドキドキ
番台の、おばちゃんが、子供はいくらと言ったけど
何十円だったのか全く記憶がない。
髪の毛洗うか?と質問されて「洗う」と言ったら追加金を取られた。
中は、おっさんと爺さんばかり。
湯舟に浸かっている爺さんが「かぁーーー、ぺっ!」なんてやっている。
私は湯舟に長く浸かるには嫌いなので、もう出ようと仲良しの子に言う。
脱衣所で着替えると、牛乳飲もうと言う。
「?」と思っていると、銭湯に来たら、最後に牛乳を飲むのが常識だと言う。
仲良しの子は「俺は、コーヒー牛乳」と言う。
他にあるのはと探すと、ありました。「フルーツ牛乳」
なんか旅行したみたいで楽しかったが、2.3回で辞めた。
最後の風呂の日、同級生の女の子が、お父さんと一緒に入ってきた。
目と目が合った。
「お父さん、やっぱり、あっちに行く」と言って
女湯の方に行った。
学校では、その子とは、気まずい雰囲気になった。
でも時間が経つと、そんなことは気にしなくなり、
普通のクラスメイトになった。